ダウン症の発達。ゆっくり成長する姿をじっくり楽しめます

ダウン症の発達。ゆっくり成長する姿をじっくり楽しめますダウン症の発達

ダウン症のある赤ちゃんはゆっくり発達していくという話は、医師から一番最初に告知を受けた時に続けて説明されることだと思います。

赤ちゃんの首が座るのもゆっくり、赤ちゃんが『ママ』とお話しだすのもゆっくりです。

また、何かが出来るようになり、次の段階に進む時もゆっくりゆっくり発達していくことになります。

不安ですよね。

周りの赤ちゃんはドンドン色んな事ができるようになっていくのに、うちの赤ちゃんは何も出来ないまま…

このまま何も出来ないんじゃないか…

そんな思いについなってしまうかも知れません。

でも、あなたの赤ちゃんもちゃんと発達しています。

ゆっくりだけど着実に成長しているのです。

今日はダウン症の発達についてお話させていただきます。

 

◎ダウン症の赤ちゃんはゆっくり着実に発達していく

一般的に親は子供が健やかに早く成長していくことを望みます。

一つのことが出来るようになると次のこと次のことと、要求のハードルはどんどん高くなり、要求のスピードもどんどん速くなっていきます。

そういう考え方からすると自分の子供の発達が『ゆっくり』であることは、親にとってはあまり望ましいものではないのかも知れません。

しかしダウン症のある赤ちゃんの発達も『ゆっくり』ではありますが、発達そのものが立ち止まってしまうわけではないのです。

ゆっくりですが立ち止まらずに着実に発達し続けていきます。

要求のハードルを高く設定することは難しいかも知れませんし、要求のスピードを早くすることも困難ですが、一つずつゆっくりと着実に前に進んでいくのです。

赤ちゃんの持つ個性を上手く伸ばすことが出来れば、例えば書家の金澤翔子さんのように日本を代表するような人物になることもあり得えます。

成長はゆっくりですが、可能性は健常な赤ちゃんと同じように無限大です。

 

昭和なオヤジのオイタパパが小さな頃は多少頭の良い子供を持ち上げる?言葉として『末は博士か大臣か』というような言葉が使われました。

今は博士も大臣も何故か昔ほどの権威性が無くなってしまい、若いお母さんなどは自分の子供に向かって『末は博士か大臣か』と言われたところで、『???』となってしまうかと思います。
が、
昭和なオイタパパの場合は、もし自分の子供に対し『末は博士か大臣か』などと褒めそやされるようなことがあれば『いやぁ、うちの子ですからねぇ。とてもとても…』などと表面上は謙遜しつつ、気持ちの中は有頂点になるに違いありません。

話が逸れてしまいましたが、さすがにダウン症のある赤ちゃんが将来、博士や大臣になる未来はなかなか見えてきませんが、自立して一人で生計を立てて生活していく未来を描くことは出来るのではないかと思います。

オイタパパの次男(以下、オイタと表記します)はダウン症のある20歳過ぎの青年です。

彼は療育手帳の判定で言うと「A」(重度)に区分されており、知的レベルは重度の知的障害という枠に入りますが、準備さえ整っていれば、自分で服を着ることも出来るし、自分でご飯も食べられ日常生活ではあまり人の手を煩わすことはありません。

今の職場は就労継続支援B型の作業所で、送迎車を利用し自宅から通っています。

(オイタが普段どのような生活を送っているかについて『ダウン症の大人。オイタの暮らしぶりを密着レポートします』で記事にしていますので、興味のある方はぜひお読み下さい)

作業所から賃金として貰えるお金は日々の自分の昼食代を稼ぐ程度ではありますが、20歳になってからは公的な支援の障害年金を受給しており、うまく環境を整えることが出来れば自立の道も見えてきます。

将来的には環境を整えていきグループホーム等で独り立ちをすることを視野に入れていくことになると思います。

書家の金澤翔子さんのような華々しいものではありませんが、普通の青年オイタも着実に発達し続けています。

 

◎ダウン症の赤ちゃんの発達を促していくために

何度も繰り返しになりますが、ダウン症のある赤ちゃんはゆっくりだけど着実に発達します。
しかし、放っておいても発達するわけではありません。

ダウン症の赤ちゃんの発達を促していくために親はその道筋をうまく導き出してあげ、我が子がゆっくり発達していく過程を楽しめばいいと思います。
ゆっくり発達するのだから、ゆっくり楽しむことも出来るのです。

 

しかし、どのようにしていけば良いのか?
それを一人で考える必要はありません。

親の会に行けばあなたやあなたの赤ちゃんに近い年代の方が多くいると思います。
オイタパパと同じようなベテランの親もいるでしょう。

その方たちからこれまでの暮らし方や、療育のやり方等実際に体験されてきた生きた話を聞き、参考になる部分を取り入れていけばいいのです。

無理に全て取り入れる必要もありません。

親子で無理なく出来る事、自分たちに合っている事を探しましょう。

 

また地域の発達支援センターには子供の発達についてのスペシャリストがたくさんいます。

相手は教えることのプロですから、教えて貰うことに臆する必要はありません。

いっぱい教えてもらい自分の赤ちゃんに合う方法を見つけていきましょう。

 

人と比べる必要も焦る必要もありません。

気になることではありますが、周りの赤ちゃんと比べる必要はありません。

あなたの赤ちゃんが出来そうなことを見つけて時間を掛けて出来るようになればいいのです。

赤ちゃんとじっくり向き合い、焦らずゆっくり時間を掛けて見守りましょう。

 

今日の話は以上となります。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 

▼▼▼以下は【ダウン症の発達】カテゴリの各記事へのリンクです▼▼▼

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