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ダウン症と早期療育。本当に早くはじめた方が効果があるの?

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

子どもを信じて自分を信じて信じてみんなを信じて頑張りましょう。

オイタパパです。

ダウン症のある赤ちゃんについては、なるべく早い時期に療育をはじめた方が良いという話をよく聞くことがあります。

しかし、『療育』という言葉自体あまり聞いたことがない親にとっては、不安や疑問が先に立ち、なかなか早い段階で療育を始めよう、という思いを固めることが難しいのではないでしょうか。

今回、早期に療育をはじめた場合に実際どういった効果があるのか ということについて少し古い研究論文を見ながらお話してみたいと思います。

 

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ダウン症と早期療育の効果

『療育』とは

『療育』と言う言葉についてですが、オイタパパの場合は次男(以下、オイタと表記します)にダウン症があるというのが分かって初めて聞いた言葉だったような気がします。

 

『療育』とは肢体不自由児の父と言われた元東京帝国大学 高木憲次教授が造った言葉だそうで、元々は『肢体不自由児に医療と教育を与えることで社会的に自立できる様に育成すること』を指していたそうです。

その後、対象を全ての障害のある子どもに広げ、現在は定義として明確化はされていないようですが、『障害のある子どもが社会的に自立することを目的として行われる医療、保育、取組み』というような意味で使われているようです。

 

なるほど!

障害のある子どもに対して行う発達を促すための事柄全般といった意味な訳ですね。

 

研究論文からみる早期療育の効果について

ネットを眺めていると少し気になる古い研究論文資料に目が止まりました。

ネットで見つけた研究論文

今回ネットで見つけた研究論文は次のとおりです。

発表年:1982年?
論文名:ダウン症児の早期療育プログラム
研究者:筑波大学 心身障害学系 長畑正道、池田由紀江 他
研究概要:昭和 55 年 7 月よ り 「ダウン症児のための早期療育プログラム 」 を試案し実施してきた 。そこで<その 1 早期療育プログラムの試案とその効果><その 2 子どもの発達に及ぼす家庭環境要因の影響>について報告する

ダウンロードURL:https://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1982/s5707016.pdf

※クリックするとダウンロードが始まる場合があります

 

この研究論文には、

①ダウン症のある子どもへの『早期療育プログラム(試案)』実施の効果
②ダウン症のある子どもの発達に及ぼす家庭環境要因

という2つの研究内容が含まれていますが、この記事では①の内容に絞って取り上げています。

 

昭和 55 年から57年に行った研究の論文なので、少し古いものにはなりますが、その研究内容は早期療育を行った効果の確認というものであり、その成果については今現在においてもかなり参考に出来るものだとオイタパパは考えています。

というか、この研究論文がもしかすると、療育開始は早ければ早いほど良いということの根拠になっているものなのかもしれません。

 

参照した研究成果

この研究は、研究者が昭和55年から昭和57年かけて早期療育プログラム(試案)により療育を行った就学前のダウン症児83人(男児:50人、女児:33人)の早期療育の実施結果をまとめたものになります。

 

この研究論文に記載されている4つの表(データ)を以下に抜粋させていただきました。

①療育開始月齢別の粗大運動達成平均月齢の比較

[平均月齢]

項目療育開始月齢
0-6ヶ月7-12ヶ月13-18ヶ月19-24ヶ月
首すわり4.96.7
寝返り9.38.9
お座り9.310.412.3
ハイハイ12.815.315.722.3
つかまり立ち13.016.316.118.9
伝い歩き16.619.520.220.2
独歩20.022.520.322.5

【各表の見かた】

今回取り上げた各表の見かたについて、粗大運動の表を例にして以下に説明します。

 

この表は寝返りやお座り等が生後何ヶ月に出来るようになったのかを療育を開始した月齢別に並べた表となります。(寝返りやお座りのことを専門用語では粗大運動というそうです)

例えば『首すわり』の場合は、

生後0-6ヶ月の間に療育開始した赤ちゃんは、4.9ヶ月(平均月齢)で首すわりした
生後7-12ヶ月の間に療育開始した赤ちゃんは、6.7ヶ月(平均月齢)で首すわりした

というように読み取ります。

平均月齢が入っていないものは、療育開始時点で、すでに首すわりしていたということを表わしています。

 

②療育開始月齢別の知覚・巧緻運動達成平均月齢の比較

[平均月齢]

項目療育開始月齢
0-6ヶ月7-12ヶ月13-18ヶ月19-24ヶ月
物のもちかえ8.610.6
粒をピンセットでつまむ17.219.216.8
カップに積み木を入れる17.317.621.525.8
3個積み木を積む19.025.024.024.7

 

③療育開始月齢別の言語達成平均月齢の比較

[平均月齢]

項目療育開始月齢
0-6ヶ月7-12ヶ月13-18ヶ月19-24ヶ月
有意語を三語いう19.015.421.326.1
絵本のポインティング21.920.521.528.4
人形の身体部位のポインティング25.021.024.024.0

 

④療育開始月齢別の社会性達成平均月齢の比較

[平均月齢]

項目療育開始月齢
0-6ヶ月7-12ヶ月13-18ヶ月19-24ヶ月
手でつかんで食べる8.311.2
スプーンを使って大体食べられる20.518.322.025.9
コップから飲む18.717.017.225.3

 

オイタパパの考察

各表において、達成月齢が逆転している例もいくつか見受けられますが、総じてより早い月齢で療育を開始した方が、各項目が早く出来るようになるということが見て取れます。

つまりこれらの結果からは、

療育を早く開始すれば、対象となる項目が早く出来るようになる

ということが、この結果から分かることになると考えていいと思います。

 

というか、研究論文でそのように結論づけされています。

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おわりに

今更、素人のオイタパパが言うまでもなく、療育は早く初めたほうがより効果が高くなるというのは間違いのない事実です。

しかし、療育のターゲットとしては、療育しなくてもいつかは出来るようになる筈のことも多くあり、『今やっている努力は本当に必要な努力なの?』といった疑問を持つことも少なからずあるかと思います。

 

そんな時にこうした『努力の成果や根拠となるデータ』を見ると少しは気持ちの拠り所になるのではないかなぁと思いました。

 

親子の努力で早く出来るようになったということは、他のことが出来るようになるための時間が増えたことになります。

しんどいなぁ、面倒くさいなぁ、子ども嫌がってるのになぁ… 思うこともいっぱいあると思いますが、今の努力は必ず報われます。

子どもを信じて自分を信じてみんなを信じて頑張りましょう。

 

今日の話は以上となります。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 

 

 

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