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オイタパパです。
生まれたばかりの赤ちゃんがダウン症だと判明し、強い衝撃を受け現実をなかなか受け容れることが出来ないでいる時、ネットでダウン症について検索すると「ダウン症の赤ちゃんは親を選んで生まれてきます」と書かれた記事が目に止まりました。
この記事を見たあなたはこう思うかもしれません
『なんでうちを選んできたの?』
しかし、すぐに打ち消すように
『せっかく選んでくれたのに、そんな風に考えるような親は駄目だね。ごめんね赤ちゃん』
おそらく今はまだ、どんな魔法の言葉でもあなたが納得できるものはないでしょう。
言葉は万能薬ではありませんから。
今日は『ダウン症は親を選ぶ』ということについて考えてみたいと思います。
ダウン症は親を選ぶ
天国の特別な子供 と ダウン症は親を選ぶ
以前オイタパパは”ダウン症と天使。天国の特別な子どもを託される家族”という記事で、『天国の特別な子ども』という詩を読んで、ダウン症のある次男(以下、オイタと表記します)を受け容れられるようになっていったということを書いています。
この詩は赤ちゃんが親を選ぶのではなく、神様と天使が特別な赤ちゃんを託すに足り得る親を選ぶという話ですが、『親が選ばれる』という考え方において『ダウン症は親を選ぶ』と同じものと言っていいのではないかとオイタパパは思います。
※『天国の特別な子ども』という詩は”ダウン症と天使。天国の特別な子どもを託される家族”に転載していますので参照下さい
オイタパパはこの『天国の特別な子ども』という詩を読んで、
・愛情を持って育てられる親じゃないとダウン症のある子供はちゃんと育てられないですよ
・神に選ばれるほどのあなた達ならそれが出来るはずです
・だから自信を持って愛情たっぷりに育ててくださいね
・ダウン症のある子供を幸せに育てることがあなた達の幸せにもなりますよ
・頑張りましょう
ということを言っているのだと受け止めています。
この中において『神に選ばれる』という表現は、
ダウン症のある子供はゆっくり成長し、より深い愛情で育てる必要があります
神や赤ちゃんに選ばれるほどの愛情を持って子育てしましょうね
ということを言っているのではないかとオイタパパは考えます。
『ダウン症は親を選ぶ』も同様な意図を含んだ言葉であるとの考えになります。
オイタパパの考えを進め、更に単純化すると上の内容は以下のように読み変わります。
・愛情を持って育てないと子供はちゃんと育ちません
・あなた達ならそれが出来ます。自信を持って愛情たっぷりに育てましょう
・子供の成長があなた達の幸せにもなります
まぁほとんど神とダウン症を抜いただけなんですけど。
もっと簡単に言うと
『愛情持って子育てして幸せになりましょう』
ということです。
これは『天国の特別な子ども』も『ダウン症は親を選ぶ』も共に通じるオイタパパの解釈です。
強い衝撃の真っ只中にある人が聞くとどう感じるのか
しかし詩の受け止め方や言葉の解釈の仕方は人によって違うものです。
また同じ人であっても、その人がその時々に置かれている立場や状況によって、変わってくることもあります。
例えば、この詩や言葉をダウン症の赤ちゃんを授かったばかりで、強い衝撃の真っ只中にある人に話しをしたとすると、上に書いたような受け止め方になるかというと、それはほぼ無理じゃないでしょうか。
まず『自分が選ばれる』ということに対し、口では言い返さないにしても、冒頭で書いたように「なんで自分が選ばれなきゃいけないんだ」って思ってしまうのはごく普通の反応だと思います。
時間の経過で考え方も変化していく
でも、オイタパパがそうであったように、実際にダウン症のある赤ちゃんを育て始めて少し時間が経過した頃に、これらの詩や言葉が書かれたものを自分で読むと、いや一度だけではなく何度も何度も繰り返し読むと、受け止め方は少し変わってくるようになることもあります。
最初は「なんで自分が…」って考えていたけれど、時間の経過とともに2度め3度めと読み返していくと、授かった赤ちゃんにダウン症があろうとなかろうと愛情持って育てていけば自分たちも幸せになっていくんだ と思えるようになることもある訳です。
それは、詩や言葉を読んで理解するというよりも、ダウン症のある赤ちゃんを育てていく中で自然と感じるようになっていく ということではないかなと思います。
しかし、多くの人がそう思えるものでもない ということは頭に残しておくべきだと思います。
伝え方について
今、自分が不幸のどん底だと考えている人に対し、その不幸の原因があなたを選んだんですよ と言えばどういうことになるでしょうか?
書くまでもないことですよね。
「なんで自分が選ばれなきゃいけないんだ」と傷つけるだけです。
『ダウン症は親を選ぶ』という言葉は更に酷い状況を作り出します。
「なんで自分が選ばれなきゃいけないんだ」と傷ついた親が、そのように考えてしまう自分自身を攻めるようになるのです。
せっかく自分を信じ選んでくれた赤ちゃんを拒絶してしまうなんて…なんて酷い親なんだろう と。
負の想いの連鎖を生み出してしまうのです。
もし、この言葉を使うのであれば、言葉の意図していることを分かりやすく付け足して話をする必要があると思います。
うまく言葉を補足できないのであれば、使うべきではありません。
また特に使わなければいけない言葉でもありません。
言葉は自分の考えていることを忠実に再現することは出来ない ということを知っておかなければいけないと思います。
励ますつもりで言った言葉が相手を傷つけ更に悩みを深くすることがある。
『ダウン症は親を選ぶ』はまさにそんな言葉だと思います。
今日は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。