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ダウン症の舌。成長・療育で出さなくなっていきます

この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

舌を出すことが運動機能の発達で改善することは 研究で明確になっています

生まれてしばらくしてから赤ちゃんが舌をよく出すようになりました。

知り合いからダウン症の赤ちゃんは舌をよく出しているといったような話を聞いたことがあるのですが、もしかしてうちの子はダウン症ではないでしょうか?

 

ネットを見ているとこのような話を見かけることがたまにありますが、舌をよく出しているからと言ってダウン症であるとは限りません。

健常な赤ちゃんでも舌を出すことはあります。

 

舌を出している以外にも該当するダウン症の特徴(つり目、二重まぶた、耳の上が折れている、鼻のつけ根が広く低い、全体的に筋緊張が低くフニャッとしている etc.)がいくつもあれば、医師等の専門家に相談するなどされた方がいいかと思いますが、舌を出しているだけであれば、それほど心配する必要はありません。

 

なおダウン症のある赤ちゃんも、必ず舌を出すというわけではありません。

そして舌を出しているダウン症のある赤ちゃんも、成長に伴いまた療育を行っていくことで舌を出さないようになっていきます。

 

今日はダウン症と舌について考えてみたいと思います。

 

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ダウン症と舌について

赤ちゃんが舌を出す理由について

赤ちゃんが舌を出す理由について、小児科のお医者さんが監修しているWeb記事を見つけました。

このWeb記事によると、ダウン症の赤ちゃんに限らず赤ちゃんが舌を出すのは以下のような理由があるようです。

赤ちゃんは、成長過程で舌を出す仕草をすることがあります。

生まれてからしばらくは舌を上手に動かすことができませんが、成長とともに徐々に赤ちゃんは舌を動かせるようになります。すると舌を動かすのが楽しくなるので、頻繁に舌を出します。

また、赤ちゃんの舌は大人の舌と大きさがあまり変わらないため、小さな口から舌がはみ出てしまうともいわれています。

赤ちゃんの舌が大きいのは、ママのおっぱいや哺乳瓶の乳首をしっかり吸うためです。

他にも、以下のような理由で赤ちゃんが舌を出すことがあります。

【赤ちゃんが舌を出す理由】
● 乳歯の生え始めで歯茎がむずがゆく、違和感を取り除こうとしている
● 舌が動くことや舌に触れる物の感触を楽しんでいる
● お腹がすいて、母乳やミルクが飲みたい(吸啜反射)
● 大人の真似をしている
いずれにしても、成長のなかの自然な仕草なので、焦らず様子をみましょう。

赤ちゃんが舌を出していても、いつも元気で健康に問題がなさそうなら、無理にやめさせる必要はありません。

※出典:こそだてハック『赤ちゃんが舌を出す理由は?障害や病気の可能性も?新生児も出す?』  https://192abc.com/38100

赤ちゃんは普通に舌を出すものなんですね。

上にも書きましたが、赤ちゃんが舌をよく出しているだけであれば、あまり心配する必要はありません。

ダウン症の赤ちゃんについては、上に書かれている他に

・口の中が小さい
・口の周辺の筋肉が弱い

などの理由もあるようです。

 

ダウン症の赤ちゃんは必ず舌を出す?

今回の記事に書くため、舌に関連する情報を探している中で、『ダウン症候群児の粗大運動能と摂食に関わる口腔異常習癖との関連』という研究論文資料を見つけることが出来ました。

 

この資料は2012年10月から2014年1月にかけて調査された ダウン症児51名を対象に口の機能や食事のとり方 の実態把握調査の結果を基に、ダウン症児への食べ方指導に役立てることを目的に書かれている研究論文資料になります。

※研究論文資料ダウンロードURL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsdh/36/1/36_17/_article/-char/ja/

 

この研究論文では、ダウン症児において『舌が出る』(”舌突出”と表現されています)ことや『口が開く』(”口唇閉鎖不全”と表現されています)こと と ”座る”、”歩く”といった『全身を使う運動機能』(”粗大運動能”と表現されています)等の関係性に着目した調査が行われており、大変興味深い内容となっています。

 

この調査においては、ダウン症児が舌を出す割合は
約6割
となっており、
更にこの資料に先駆けて発表されている論文では、約7割という結果であったらしく、
『ダウン症児の6割~7割』
が舌を出すということが分かりました。

せっかくなので、この研究論文資料の内容について、もう少し紹介させて頂きます。

調査人数 :51名
調査時年齢:0歳~16歳
調査方法 :保護者による調査様式への回答
調査者  :日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック 水上 美樹 他

◆舌をよく出すダウン症児
29名(56.9%)

◆常時または時々口を開いているダウン症児
46名(90.2%)

◆舌をよく出す・口を開いている と 年齢との関連
舌をよく出す :年齢が低いほどよく舌を出している
口を開いている:年齢とは関係しない

◆舌をよく出す・口を開いている と 全身を使う運動機能との関連
舌をよく出す :歩けるようになると舌を出す割合が下がる
口を開いている:全身を使う運動機能とは関係しない

◆舌をよく出す・口を開いている と 食べ方指導の経験との関係
舌をよく出す :指導を受けていると舌を出す割合が下がる
口を開いている:指導を受けていると舌を出す割合が下がる

この資料から、舌を出すことは運動機能の発達で改善されることが多く、また、食事指導などによっても改善していくということが明確に示されています。

やはり療育を続けていくことで、いろいろな部分で成長が促されるということが分かりますね。

療育を続けていてもなかなか効果が見えにくく、親子共々息切れししんどくなりがちですが、成果は必ず現れますので頑張りましょう。

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オイタの舌の傷跡と溝状舌

うちのダウン症のある次男(以下、オイタと表記します)も小さい頃は舌を口から出したままにしていることが多くありました。

また、オイタの場合は、口から出していることが原因で舌を噛んでしまい、血まみれになっていることがよくありました。

そして、勢いよく転んでかなりの深さまで切れ、大騒ぎになることも何度かあったりしましたので、妻(以下、オイタアーヤンと表記します)と二人でオイタが舌を出しているを見つける度に、オイタの舌を指差し『駄目』と毎回言い続けることで、少しずつですがマシになっていったようです。

 

でも、上に書いた研究論文からすると、注意が効いたのか運動機能の成長によるものかよく分かりませんね。

それでも20歳を過ぎた今でも、ボーッとしている時などに口から舌が出ているときもあったりするのですが。

 

上に書いたようにオイタは舌をよく噛みました。

そのため舌に複数の傷跡が今も残っています。

まぁ普段は口の中に仕舞っている舌なんで、目立つ傷跡でも人に見られるわけでも無いですし、悪影響なども特にないので、今となっては言わば少し苦い思い出のようなものという感じです。

 

舌の疾患『溝状舌(こうじょうぜつ)』

ところで、舌の疾患として『溝状舌(こうじょうぜつ)』という病気があるのをご存知でしょうか?

オイタパパは、今回この記事を書くに当たりネットで舌に関する情報を探している際に見つけ、初めて知りました。

見つけた時に驚いたのは、ダウン症のある人のなんと80%に生じる舌の病気なんだそうです。

 

症状は、

・舌の表面に多数の深い溝や皺が生じる

とのこと。

しかし、病気と言っても基本的には痛みも無く、発声・味覚・嚥下機能など舌の機能上にも特に影響はないようですので、それほど神経質にならなくてもよさそうです。

 

ただ、溝が不潔になりやすいので、二次的に軽度な炎症を起こして舌の痛みや違和感を感じることがあるため、口の中や舌表面を清潔に保つように意識した方が良いようです。

 

『溝状舌(こうじょうぜつ)』は先に書いたようにダウン症のある人の80%に生じるとのことですが、オイタの場合、舌に噛み傷跡がくっきり残ってはいるものの、この病気ではありません。

 

今日の話は以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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