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ダウン症の確率とその出典元。データの根拠を探してみた

この記事を読むのに必要な時間は約 13 分です。

ダウン症の確率はどの国でも800~1000人に1人

オイタパパです。

みなさんはダウン症のある赤ちゃんが生まれる確率がどのくらいあるのかご存知ですか?

オイタパパには二十歳を過ぎたダウン症の次男(以下、オイタと表記します)がいるのですが、オイタが生まれた20数年前は700人に1人と聞いたような記憶があります。

 

最近、新聞などを見ると1000人に1人と書かれていることが多いような気もしますが、記事によっては700人とか800人に1人と書いている場合もあるようです。

 

この『7、800人に1人とか1000人に1人』っていうことについて、近いような近くないような微妙な?違いなんで、あぁそのくらいの割合なんだ、という事が分かればそれはそれで納得できるし特に困ることもないんです。

でも、700人に1人なのか800人に1人なのか、それとも1000人に1人なのかもうちょっとハッキリ教えてよ って思うことはないですか?

オイタパパは何故だか無性に引っ掛かるんです。

 

特に最近は女性の出産年齢が高齢化しているとのことで、その影響によりダウン症の出生確率が上がっているというような話も聞いたりしますから、余計にちょっと引っ掛かるのですが、、、、

そこで今回は少し腰を据えてネット上に公開されているダウン症の出生確率に関連する情報を探してみることにしました。

 

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ダウン症の確率とその出典元を探す

政府統計の総合窓口(e-Stat):出典元では無かった

最初に探してみたのは、日本における統計といえばまずはココでしょっていう
★政府統計の総合窓口(e-Stat)https://www.e-stat.go.jp/about
です。

政府統計の総合窓口(e-Stat)は日本国政府が主管し、各省庁が公表する統計データを一つにまとめた統計ポータルサイトですね。

…..すいません。
ちょっと見栄張ってしまいました。
このサイト今回初めて見ました。

 

こんな風に日本の各省庁が公表する統計情報を一元化してるんですね。
まぁ考えてみればビッグデータがどうのこうのという時代ですから当然なのかもしれないけど。
でもちょっと見にくかったかな。
オイタパパのスキル不足?

 

で、探してみたんですが、見方もよく分からないということもあるかもしれないけど、ダウン症の出生確率データを探すことは出来ませんでした。

ただ、『疾病、傷害及び死因の統計分類(基本分類)』の中で以下のような分類コードが割当てられていたので、

分類コード           項目名
Q90.0 21トリソミー      成熟<減数>分裂時の不分離によるもの
Q90.1 21トリソミー      モザイク(有糸分裂時の不分離による)
Q90.2 21トリソミー      転座
Q90.9 ダウン<Down>症候群   詳細不明

これと同じような感じで出生についてのデータももっとよく探せば載っていたのかもしれません。
自分の知識とスキルの無さが恨めしいですね。

 

公益財団法人 日本ダウン症協会(JDS):出典元では無かった

次に見たのが、
★公益財団法人 日本ダウン症協会(JDS) http://www.jdss.or.jp/
のホームページ。

日本におけるダウン症関連の総本山?的な組織である 公益財団法人 日本ダウン症協会(JDS)のホームページです。
今の代表理事は玉井 邦夫さんという大学教授の方で、お子さんがダウン症ということも有り、ダウン症関連の本もたくさん書かれてますから、名前を聞いたことがある人も多いかもしれないですね。

で、さすがにここではそれらしい情報がありましたが、
『性別や人種、経済状況などにかかわらず、どの国にも約800人から1000人に1人の割合で生まれます。』
との記述でした。

 

うーん。
最近良く聞く数字とまぁ似た感じになってるけど、でもこれってどう解釈すればいいんだろう?

国によって多少は違って、ある国は800人に1人だけど、ある国は1000人に1人で、だいたいどの国もそれくらいの割合の幅に入っているってことを言ってるのかな?

それともある年は800人に1人だけど、ある年は1000人に1人ってこと?

いずれにしろ800人から1000人に1人の割合なんですけどね。
まぁいいか。

 

 

まずは信頼がおけそうなサイトを狙い撃ちしましたが、残念ながら見つかりませんでした。

ここからは『ダウン症 確率』というキーワード等で検索しながら、情報を片っ端から探していくことにしました。

気になる別の関連データが出てきた【出産年齢別ダウン症児出産確率】

すると、探している800人から1000人に1人の割合という数字の他にもう一つ気になる数字情報が出てきたんですよね。
それは、

出産年齢別ダウン症児出産確率

というもの。

女性が高齢になるほどダウン症の終章確率が高まると書かれた記事がいくつもあるんですが、中には以下のように女性の出産年齢毎のダウン症児出産確率として、具体的な数値が載っているサイトが結構あったんです。(数値はサイトによって微妙に違う場合がありました)

【出産年齢別ダウン症児出産確率】
20歳→1667分の1
30歳→952分の1
35歳→385分の1
40歳→106分の1
45歳→30分の1

ただ、どのサイトも出典元が明記されてないんですよ。

 

この情報からすると、女性の平均出産年齢とダウン症の出生確率に強い相関があるということが分かるので、国や年によって割合が変わってくるというのもうなずける話になります。

とすると日本においても年によって女性の平均出産年齢も変わるでしょうから『7、800人に1人とか1000人に1人』というのはいずれも間違いではないという可能性が高いということになってきます。

 

しかし、この数字自体の根拠は知りたい というかここまで来たら知らないと終われません。

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出産年齢別ダウン症児出産確率の出典元を見つけた

やっと、女性の出産年齢毎のダウン症出産確率の出典元が書かれたサイトを見つけました。

医学誌の『The New England Journal of Medicine 』という出版物に2004年に書かれていたようです。
(この医学誌を出典元とするサイトは2つ見つけたのですが、いずれも個人のブログのようでしたので、URL等の掲載は控えさせて頂きます)

 

The New England Journal of Medicineについて調べてみると

『The New England Journal of Medicine (NEJM) は,200年を超える歴史を有し、世界でもっとも権威ある週刊総合医学雑誌の1つです。医学界のトップジャーナルとして、また情報提供の優れた媒体として、国内外の医師・研究者から高い評価を受けています。』

という権威のある媒体のようなので、実際の記事はまだ探しきれていませんが、十分に信頼の置ける情報だと考えて間違いなさそうです。

参考までにThe New England Journal of MedicineのURLを以下に載せておきます。
https://www.nejm.org/(日本国内版 https://www.nejm.jp/ )』
※リンクをクリックして表示されるのはトップページです。ダウン症児の出産確率に関する記事が掲載されている訳ではありません。

 

また続けて、日本でも有名な『ウィキペディア(https://ja.wikipedia.org/)』の姉妹サイトである『ウィキメディア・コモンズhttps://commons.wikimedia.org/)』に、恐らくThe New England Journal of Medicineの関係者が記載したのではないかと思われる上記情報のデータとグラフが掲載されていることを見つけました。
(掲載ページURL:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Down_Syndrome_Risk_by_Maternal_Age-semilog.svg?uselang=ja

 

このサイトによると上述の【出産年齢別ダウン症児出産確率】の数値は、アメリカ人女性における確率データ値のようで、イギリス人女性の場合は微妙に違っているということが分かりました。

恐らく日本人女性の場合も微妙に違うものだと思われますが、傾向として出産年齢が高くなるにつれ、ダウン症児出生確率が飛躍的に高まるというのは変わらないものと考えられます。

 

『7、800人に1人とか1000人に1人』の出典元を見つけた

ずいぶん探してやっと見つけました!
サイト記事じゃなくてPDF資料だけど。

http://www.jaog.or.jp/sep2012/know/kisyakon/20_090311.pdf
資料の表題等から推察すると、これは2009年3月の社団法人日本産婦人科医会 第 20 回記者懇談会という会合で、横浜市立大学の国際先天異常モニタリングセンターという組織の所長が発表で使った資料みたいです。

この資料によると、1997-2005年の間で1万人の赤ちゃんに対し9.6人のダウン症の赤ちゃんが生まれた ことになっています。

1000人に1人ってことですね。

これが『1000人に1人』の元になっていると考えていいのかな?

 

この資料に載っている『クリアリングハウス国際モニタリングセンター日本支部』のサイト(https://www.icbdsrj.jp/)には、先天異常データベースのページが有り、上の資料の元になったと思われるデータが公開されていました。

現時点で公開されているデータは1999年~2016年の『奇形種類別発生順位』についての調査結果で、中を見ると近年はダウン症を含むなんらかの先天異常をもった赤ちゃんの出産率が高くなってきていることが分かります。

 

ただし、ページ冒頭に『ここに示したデータの無断転載は固くお断りします』との記述がありましたので、今、データの取扱条件について問合せをしているところです。

了解を得られるようであれば、当該データよりグラフを作成する等行い、別途本ブログへ掲載したいと考えています。(なかなか返事すらいただけない状況ですが、、、)

 

なお、国際先天異常モニタリングセンターは日本産婦人科医会と連携し、日本の総出産児のおおよそ10%にあたる児をモニタリングしており、現在、全国300以上の分娩施設の協力を得て、先天異常モニタリングを行っている組織とのことで、十分に信用のおける組織であると考えて問題なさそうです。

 

おわりに

しかし、なんでこういった情報がすぐに見つからないんだろう?
みんなが欲してる情報なんだからもっと分かりやすくすればいいのに。

ということで今回の調査で分かったのは、
・出産年齢によりダウン症の出産確率は変わる。高年齢出産になるほど確率は飛躍的に高まる
・2005年時点における日本のダウン症出産確率は約1000人に1人。最近は上昇傾向にある

でした。
今後、新たな情報が分かればまた掲載していきたいと思います。

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ダウン症と出産
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