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ダウン症の治療。でもアルジャーノンじゃあ駄目だよね

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

今は治療は出来ないけど、将来は治療できる可能性があり、研究も進んでいる

生まれた赤ちゃんにダウン症という先天性の疾患があれば、特徴的な顔立ちや知的障害をはじめとした心身の遅滞と様々な合併症を引き起こすことはよく知られたことです。

このため医師からの突然の告知により、ダウン症の赤ちゃんの親となった人たちは強い衝撃を受けることとなります。

 

ところで、ダウン症ってそもそも治療できないものなのかって考えたことはありますか?
よく考えてみればオイタパパは考えたことなかったです。

あまり覚えていないのですが、次男(以下、オイタと表記します)がダウン症だと医者から告知された際に、説明されるか自分から質問して治療出来ないということを頭にインプットし、それっきりなんだと思います。

ということで、今日はダウン症の治療について考えてみたいと思います。

 

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ダウン症の治療について

なぜダウン症は治療できないのか?

オイタがダウン症だと分かった後に自分の母親に「ばあちゃんの孫がダウン症という先天的な病気で、将来は恐らく知的障害を持つことになると思う」という話をしたのですが、その時に母親から「そんな病気あるの?頭の手術したら治るんやないのか?」と聞き返されたことを何故だかよく覚えています。

 

『頭の手術』というのもなんだかすごい発想ですが、確かに何も知らない素人にとっては『病気』と聞くと薬を飲むなり手術を受けるなりすれば治るんじゃないかと考えますよね。

それに最近では癌も以前に比べると治らない病気ではなくなってきました。
それなのに何故ダウン症は未だに治療方法すら全く無いのでしょうか?

 

ダウン症がある子を持つ親が集まって立ち上げたNPO法人アクセプションズ のホームページでは以下のように説明されています。

◆根本的治療は出来ない
人を形成している細胞は、もとはたった1個の受精卵が細胞分裂により、成人で約60兆個という膨大な数となっています。

ダウン症のある人はその身体を作っている全ての細胞で21番染色体が1本多いのです。

従い根本的な治療方法は、60兆個の細胞について60兆個の21番染色体の過剰な1本だけをそれぞれから取り除くと言うことです。

赤ちゃんの時でも3兆個もの数となり、現在の技術をもってしてもこのような根本的治療は不可能です。

※出典:NPO法人アクセプションズ『ダウン症の治療』
https://acceptions.org/?page_id=660

分かったような分からないような…
もう少し分かりやすくなるように上の文章を分解しながら噛み砕いて書いてみます。

・染色体というのは、健常な人間の体の細胞一つ一つに23対46本ずつ入っています

・ダウン症の場合、1つの細胞の21番目の染色体が1本多い3本で全部で47本ずつです

・大人の体には細胞が約60兆個もあります

・赤ちゃんでも3兆個です

・根本的な治療が一つの細胞から余計な染色体1本を取り除くことだとすると、大人の場合60兆個、赤ちゃんの場合3兆個の細胞から1本ずつ不要な染色体を取り除いていく必要があります

・そんなことは今の科学技術では実現不可能です

ということになります。

これで少しは分かりやすくなったでしょうか?

もしかして、余計に分からなくなったとか…

 

なんだか数が多すぎることが問題のようにも読めてしまいますが、
そもそも細胞が生きている状態のままで不要な1本の染色体を取り除くことが出来るのか?
という素朴な疑問も湧きますし、

仮に1個の細胞であれば生きている状態のまま不要な1本の染色体を取り除くことが出来たとしても、例えば生きた心臓の全ての細胞から不要な染色体を1本ずつ取り除くなんてこと、出来そうなイメージすら全く湧いてきません。

 

それが体中の全ての細胞な訳ですからね。

そりゃ無理ですねって感じです。

まぁこれは『根本的治療は出来ない』ということを、少しでも分かりやすく説明してくれているのだとは思いますが、この説明からすると、今は確かに治療は出来そうもないなぁと思います。

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未来のダウン症治療について

実は先程紹介したNPO法人アクセプションズさんの記事では、今後のダウン症治療の可能性にまで言及し説明してくれています。

そのまま転載すると長くなってしまいますので、書かれていることをオイタパパの解釈で噛み砕いて記述してみたいと思います。

・ダウン症の場合、21番めの染色体の遺伝子が全く違うものに変質したのではなく1本多い(遺伝子の量が1.5倍)だけです

・遺伝子の量が多すぎることが悪影響を及ぼしダウン症の症状に結びつきます

・悪影響を及ぼす遺伝子を特定することができれば、その遺伝子が作り出すタンパク質を薬でブロックすることも可能になります

・タンパク質の過剰な働きをブロックすれば、ダウン症のある人の生活の質がよくなったり寿命がのびたりすることが考えられます

・すでに世界中の研究機関でマウスを使った実験も行われています

・ただし、その薬の副作用も考える必要があり、人間への適用は慎重に取扱う必要があります

うーん…

簡単に書いたつもりですが、今ひとつ分かりにくいでしょうか。

 

オイたパパ自身が『染色体』『遺伝子』『タンパク質』がどういったものであるか、具体的に理解できていないためかもしれません。

 

ちょっと解説の中途半端感は否めませんが、思いっきり端折って書くと

要するに、
今は治療は出来ないけど、将来は治療できる可能性があり、研究も進んでいる

ということです。

 

ここで書かれている研究の成果を本当に使えるようになるのが、5年後なのか10年後なのか50年後なのかは分かりませんが、いずれにしても期待できる話であることは間違いありません。

 

研究中の新しい化合物は『アルジャーノン』

また実際に、おそらくここで書かれている方法が具現化されたものだと思われる研究が2017年に京都大学から既に発表されています。

『ダウン症の出生前治療を可能にする新規化合物 -ダウン症iPS神経幹細胞の増殖を促進-』
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/170905_1.html

興味のある方はリンク先をご覧下さい。

 

ちなみにこの研究で作られた新規化合物は『アルジャーノン』と名付けられたそうですが、あのダニエル・キイスの小説『アルジャーノンに花束を』にちなんで名付けたものではないと研究者は言っているそうです。

ちょっと真意を聞きたい感じではあります。(オイタパパやや立腹)

 

今日は以上となります。

少し中途半端感が強くなっていまいましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。

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